省力化製品や少人化製品を提供する企業にとって、顧客を効果的に集客することは、ビジネス成功の鍵となります。しかし、市場には多くの競合がひしめいており、適切な集客方法を見つけることは容易ではありません。
本記事では、省力化 / 少人化製品の集客に悩む企業様向けに、実践的な戦略と成功のためのポイントをお伝えします。
省力化 / 少人化製品の市況は?
省力化 / 少人化製品の市場は、昨今の労働人口不足問題や、それに伴うDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の流れを受けて急速に拡大しています。富士キメラ総研の2023年のレポートによれば、DX関連の市場規模は2030年度に8兆円を超える見込みです。
特に、ロボットやAIを活用した省力化製品は、様々な業界で導入が進んでおり、企業の業務効率化を支える重要な要素となっています。さらに、中小企業向けの省力化投資補助金やDX銘柄の指定など、国の支援も市場拡大を後押ししています。
省力化・少人化製品の集客で直面する課題
省力化 / 少人化製品市場の需要が高まる一方で、集客には特有の課題が存在します。
多くの場合、初期の売上を伸ばしていくために、業界や対象ユーザー等、ターゲット顧客を明確に絞り込むことが求められます。絞り込みによりターゲット顧客への解像度が上がり、商談後の成約率は向上する一方で、ニッチがゆえに認知が急速に広まりにくく、集客母数を確保しにくい課題が出てきます。
この記事では、省力化 / 少人化製品の集客課題を解決するための施策と、理想状態構築のために必要なポイントをまとめてみました。
準備段階:決裁の決め手になる要素を確実に言語化する
集客のためには、省力化製品の導入を検討する企業に向けて、製品選定の際の決め手となる要素を明確に言語化し、それを顧客に的確に伝えることが重要です。
この章では、顧客が導入を決定する際に重視するポイントと、そのポイントをどのように効果的にアピールするかについてご紹介します。
事例は可能な限り公開する
顧客が省力化製品を導入する際、最も参考にするのが他社の導入事例です。特に同じ業界や業種の成功事例は、同様の課題を抱える企業にとって強力な説得材料となります。例えば、特定の業界や業種での導入事例を数多く集め、それをもとにケーススタディを作成することで、顧客は自社においても同様の効果を期待できると考えるようになります。
また、導入事例を活用する際には、ただ効果を紹介するだけでなく、どのようなプロセスで導入が進められたのか、どのような困難を乗り越えて成功に至ったのかといった詳細な情報を提供することが重要です。これにより、顧客は製品の導入プロセスを具体的にイメージしやすくなり、導入に対する不安が軽減されます。
しかしながら、初期段階では試験的利用やPoC導入が多く、公開できる事例が少ない現状もあります。事例が貯まってから公開するのではなく、1件目の事例からも丁寧に深堀りながら公開を進めると良いでしょう。
費用対効果(ROI)を明確に示す
ROI(リターン・オン・インベストメント、費用対効果)は、省力化製品を導入する際の重要な指標です。企業は製品に投資する際、その投資がどの程度のリターンを生むかを厳密に検討します。ROIを高めるためには、導入後のコスト削減効果や生産性向上効果を具体的に数値化し、顧客に提示することが求められます。
ROIの評価には、初期コストだけでなく、運用コストやメンテナンスコストも考慮する必要があります。例えば、省力化製品が導入後にどの程度のコスト削減を実現できるか、また、どのくらいの期間で初期投資を回収できるかを明確に示すことで、顧客に対する説得力が高まります。
また、ROIを高めるためには、製品がもたらす付加価値も重要です。例えば、省力化製品が単に作業時間を短縮するだけでなく、従業員の負担軽減や業務の精度向上、さらには新たなビジネスチャンスの創出に繋がる場合、その付加価値を強調することで、製品の導入を後押しすることができます。
手離れの良さを証明する
どれだけコストダウンが見込めても、現場から「こんなものは使えない」と一蹴されれば、トライアル利用で終わってしまいます。
手離れの良さ、つまり製品の学習コストが低くトレーニング時間を要しないことは、(顧客側で)管理部門から現場に製品を紹介する際に最も重要なトピックの1つです。
手離れの良さをあらかじめ伝えるためには、とにかく製品の(G)UI/UXを情報を打ち出すことです。具体的には、導入開始までのリードタイムや、ダッシュボードの動画を見せるなどです。アンケート結果を載せて信用性をUPすることも効果的です。
バックアップ体制が万全であることを示す
省力化 / 少人化製品の導入には、技術的なサポートだけでなく、継続的な支援体制が求められます。特に、初めて導入する企業にとっては、製品の運用方法や効果的な活用方法が分からない場合が多く、バックアップ体制があらかじめ可視化されているとお問い合わせ時の安心感にも繋がります。
また、少人化製品の導入後は、従来よりも少ない人員数での運用することになります。万が一のトラブル発生時に、どれだけ早く復旧ができるかを示せることは、顧客の決裁を後押しする要素となります。
特に、保守・伴走支援・セキュリティの3点は、バックアップ体制の中でも優先して言語化すべき項目になります。
販促資料にまとめる
決裁の決め手になる要素の言語化を完了したら、製品情報と合わせて、各種販促資料としてアウトプットをしましょう。
製品紹介サイトなど、特に閲覧数が多い媒体では、定期的に更新することで、感度の高い顧客からお問い合わせを得やすくなります。
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感度の高い顕在顧客を確実に集客する施策
前述したとおりに準備を進めることができたら、次は実際に集客施策を実行していきます。
初期の集客施策を実施する上で意識すべきポイントは、自社の課題を理解していて解決策を探している顕在層、特に情報感度が高く導入の緊急度が高い顧客を優先することです。逆に言えば、自社の課題は把握しているものの、何から始めればいいか不明瞭な潜在層は、リソースが限られているうちは優先順位を下げる必要があります。
ここでは、具体的なアプローチ方法をご紹介します。
専門領域の催事や委員会で常連になる
話題性のある展示会に出展し注目度を高めることも大切ですが、まずは顧客になりうる人の集まる催事や会合に優先して参加することが望ましいです。
トライアル中の顧客がいる場合は、ユーザーインタビューを通して、彼らが良く参加する委員会や協議会の情報を収集してみましょう。製品の体験イベント企画を持ち込むなど、コミュニティに貢献する形で参加できるとなお良いです。
対面のミーティングでは、製品のデモンストレーションを行い、実際に動作する様子を見せることで、顧客に製品の価値を直感的に理解してもらうことができます。顧客は製品を実際に手に取り、操作感や効果を体験することで、初回のお問い合わせがしやすくなります。
ポータルサイトに出稿する
情報感度の高い顧客や導入緊急度が高いユーザーは、常に新製品の情報をネット上からキャッチアップしています。
顧客が見るのは調べた製品のサイトだけではなく、ポータルサイトやECサイトも対象になります。例えば、補助金とセットでの導入を検討している顧客であれば、中小企業省力化投資補助金のカタログ。製造業向けであればmetoreeやアペルザTV。建設業ならNETISのやイプロスまちづくりが有名です。
広告掲載費用や掲載手続きに時間がかかる場合も多いですが、顕在層を確実に集客できる有効的なチャネルといえます。積極的に活用していきましょう。
キーワード広告を出稿する
担当者、管理職問わず、自社の課題を認識している顧客ほど、具体的なキーワードで該当する製品を検索しています。キーワード広告は顕在層にリーチするための強力なツールです。キーワード広告を活用することで、製品に関連する特定のキーワードを検索しているユーザーに対して、タイムリーかつターゲットを絞ったアプローチが可能になります。
また、キーワード広告のメリットは、潜在的な顧客が自発的に製品を探しているタイミングで広告を表示できる点です。これにより、広告の露出がターゲット層にとって自然であり、製品に対する関心を高めることができます。
まず、広告を出稿する際には、ターゲット層が検索しそうなキーワードを的確に選定することが重要です。例えば、「建設 ロボット」「シフト作成 自動化」といった具体的なキーワードは、関連業界/業種での検索頻度が高く、ターゲット層に効果的にリーチできます。
ニッチな検索キーワードでの広告出稿では母数は大きく増やせませんが、それでも出稿しておくだけで機会損失や取りこぼしを防ぐことが出来ます。
初期顧客のリファラル(紹介)を頼る
施策をやりきった後の最後の手段として、初期の顧客に対し同じ課題感を持った企業を紹介してもらえないか打診してみましょう。
初期の顧客の周辺には、類似した課題を持つ顧客が隠れています。事例を公開するなど、前述してきた施策を実行することで、マッチング精度の高い紹介を受けやすくなります。
ただし、Give&Takeの関係構築も重要です。紹介してくれた場合には、割引やオプションプランの追加など、インセンティブ設計を十分に行った上で実施してみてください。
まとめ
省力化 / 少人化製品の需要が高まる中で、ニッチ戦略を取り集客に課題を抱える製品は多くあります。
顕在層のうち情報感度や導入喫緊度の高い顧客に照準を合わせ、決裁の決め手になる要素を網羅的に言語化し、その上で施策を実行していくことが大切です。この記事にある戦略/戦術を駆使することで、貴社製品の競争力を高める一助になればと思います。
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情報感度や導入喫緊度の高い顧客は多くの場合、インターネット上で自社の課題を解決する製品の情報を日々収集しています。したがって、製品紹介サイトの更新・改善を続けることは、省力化 / 少人化製品の初期集客を加速させる要因の1つとなります。
しかしながら、多くの企業では営業担当者の方が片手間で製品紹介サイトを触っている現状もあります。
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