2026年1月27日、名古屋大学オープンイノベーション拠点OICX(オイックス)にて、少人数体制で新規事業を担う担当者向けイベント「【新規事業ナイト】1〜2名で新規事業を任されたあなたへ ― 壁を乗り越えるためのリアルと実践Tips」が開催されました。本イベントには、弊社 代表取締役の若目田が登壇し、少人数新規事業が直面しやすい“詰まり”の実態や、現場で使える打ち手について議論しました。
企業の新規事業担当者の多くは、実質1〜2名の少人数体制で、専任ではなく既存業務と兼務しながら推進しているケースも少なくありません。経営層との温度差、社内の巻き込み、リソース不足、検討が空中戦になってしまう課題など、「正解が見えないまま前に進めなければならない」状況が起こりやすいことから、同じ立場の実務家同士で学び合う場として企画されました。
少人数新規事業の“壁”を語る実務家3名が登壇

トークセッションでは、新規事業の現場に携わる実務家が登壇し、担当者がぶつかりやすい壁や、その突破に向けた具体策を共有しました。ファシリテーターは、株式会社カチノデ 代表取締役の森一浩氏が務めました。
登壇者(敬称略)
東海エイチアール株式会社 代表取締役 若目田 大貴
株式会社バリューグロー 代表取締役 田中 裕章
株式会社A1Growth 執行役員 / VP 柴田 雅大
ファシリテーター:株式会社カチノデ 代表取締役 森 一浩
会場では、参加者から事前に寄せられた「新規事業担当者ならではの悩み」を起点に、登壇者がそれぞれの経験を踏まえながら、現場で“明日から使える”論点へ落とし込んでいく形で進行しました。
「最初の3ヶ月」で止まらないために:大きく作り込まず、最小で学習する
イベントの序盤では、「なぜ1〜2名体制の新規事業は止まりやすいのか」というテーマから議論がスタートしました。新規事業は、前提(目的・定義)が曖昧なまま担当者に委ねられやすく、さらに兼務の状況下では検討や調整が積み上がり、身動きが取れなくなることも多いといいます。
その上で、最初の段階で重要になるポイントとして共有されたのが、“大きく作り込まず、最小単位で外に出して学習する”という考え方です。完成度を上げてから動くのではなく、小さく試し、反応から仮説を更新し続けることで、少人数でも前進しやすくなるという見立てが示されました。
また、進捗の示し方としても「売上などの結果(数字)だけ」を追うのではなく、いま何を検証し、どんな事実が得られ、次に何を確かめるのかを言語化して共有することが、社内合意にもつながるという点が話題になりました。
兼務で時間がないときの現実解:「小さな到達点」を上司と握る

参加者の悩みとして多かったのが、「新規事業と既存業務の兼務で時間が取れず、結局既存業務が優先されてしまう」という課題です。トークでは、少人数体制で無理に両立しようとすると、担当者の負荷が高まり、結果的にどちらも進まなくなるリスクがあることが共有されました。
その対策として具体的に示されたのが、“小さな到達点(次の状態に移る条件)”を上司と合意しておくという方法です。たとえば「この検証ができたら専任に近づける」「この事実が取れたら次の予算・体制へ移行する」といった小さな節目を先に握ることで、担当者の心理的負担を下げつつ、社内にも進捗の納得感を作りやすくなるといいます。
空中戦を終わらせる:議論が噛み合わないときは「言葉の定義」から整える

新規事業の議論が進まない要因として、関係者間で「言葉の意味」が揃っていない状態が挙げられました。社内でも部署が違えば前提が異なり、オープンイノベーションでは企業文化や用語の使い方が異なるため、合意形成が難しくなるケースがあります。
そこで議論されたのが、“言葉の定義(共通言語)をそろえる”というアプローチです。たとえば「検証」「PoC」「試作」「顧客」など、同じ単語でも想定している粒度やゴールが違うと、会話が噛み合わず、結果として“空中戦”が続いてしまいます。定義を揃えることで論点が地に足付き、次のアクションへ進めやすくなる——という点が共有されました。
当社として
東海エイチアールでは、新規事業の立ち上げ初期に起こりやすい停滞要因を整理し、検証の進め方や社内の巻き込み方を含めて、実務に落とし込む支援を行っています。今回のイベントでも、少人数体制ならではの課題が具体的に言語化され、参加者が“次の一歩”を持ち帰る場になったと感じています。
主催のOICX様、運営の株式会社カチノデ様、そしてご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
OICX(名古屋大学オープンイノベーション拠点)とは
OICX(オイックス)は、名古屋大学における産学連携・オープンイノベーションを推進する拠点です。企業・研究者・スタートアップ等が交わる場として、イベント開催や交流機会の創出などを通じて、新たな連携や事業創出を支援しています。