新規事業のあるある「経営陣から高い目標を求められる」

こんにちは。東海エイチアールのセールス担当の田中です。

新しく立ち上げたビジネスは、当然のことながら0からスタートして、事業成長とともに売上を上げていきます。私もお客様先でスタート間もない新規事業開発をお手伝いさせていただきますが、「経営陣から高い目標を求められる」というお悩みはよく聞きます。ビジネスの立ち上げに加え、経営陣との折衝もしなければいけない新規事業開発のお仕事はとても大変ですよね。

そこで今回は、新規事業のあるあるとしまして、事業の立ち上げフェーズでよくあるパターンと、担当者様が経営陣からのプレッシャーを切り抜けるためのヒントをご紹介していきます。

Case 1. 経営陣が新規事業の売上に即効性を求めている場合

ビジネスアイデアから始めて事業を立ち上げたばかりにもかかわらず、経営陣からは既存事業と同じように億単位の売り上げを求められるということは珍しくありません。経営陣は現場とは別の視点で会社のことを考え、新たな収益の柱として早く成長してほしいと期待をしているのでしょう。

経営陣にとって、「早く成長すること」と「失敗しないこと」はどちらが大事なのでしょうか。経営スタイルによっては、リスクがあっても資金を投下し、失敗すればすぐ撤退というやり方もあるとは思います。しかし、多くの企業ではリスクオフのスタンスで新規事業開発を進める傾向にあります。

そのような経営陣に対しては、リスクを抑えながらもなるべく早く大きな売り上げを立てられるような「事業の成長イメージ」を伝えるようにしましょう。新規のビジネスは必ず未熟な部分があります。未熟な状態で大勝負に出れば、そのビジネスアイデアが持つ魅力が顧客に伝わる前にリソースが尽きてしまうでしょう。だから、最初はそのビジネスの核となる部分を小さな市場で磨き、市場最適化してから大きな市場に投入する必要があるのです。早く売上を上げたいなら、検証のスピードを上げることを考えましょう。

重要なのは経営陣が求めるような大きな成長のビジョンを持っていることと、それを実現するための計画があることを理解してもらうことです。事業計画書などを見せることで、「大きく成長するビジョンがあり、そのために市場最適化が必要。市場最適化するための検証を計画を立てて行っている」ということを理解してもらえるはずです。
例えば、世界最大のSNSと言われるFacebookも最初はハーバード大学の学生のみが使えるわずかな機能だけを持ったものでしたが、時間をかけて検証しユーザーが欲しい機能を充足しています。

Case 2. 経営陣が失敗しない新規事業を求めている場合


次は、経営陣が失敗しない事業を求めているケースについてです。新規事業開発はビジネスアイデアから始まります。新規事業部が考えたビジネスアイデアを経営陣に提案すると、市場のニーズや失敗のリスクを理由に却下されてしまうという担当者様の声をよく聞きます。おそらく、このような経営陣を納得させやすいビジネスモデルは、すでに市場で成功例があったり誰にも想像がしやすいような業態でしょう。ここでは、新規事業部の目的・存在意義を「会社の新しい収益柱となる事業を作ること」と仮定しビジネス提案を考えてみます。

例えば、すでに市場で成功例がある業態で新規事業開発する場合を考えてみましょう。市場規模、顧客ニーズが成熟している市場では、参入リスクを把握することができます。すでにやり方が確立されているため事業立ち上げの苦労も少ないかもしれません。しかし、先行者(主に大手企業)がライバルとなるため失敗リスクがないわけではなく、新規参入して大きなシェアを獲得することも簡単ではありません。

つまり、参入しやすく新規性のないビジネスアイデアはスモールビジネスになる可能性が高いのです。スモールビジネスは実現しやすく持続性も高いのですが、会社の規模によっては将来を担う新たな可能性にはなりにくいでしょう。成熟市場に参入するのであれば、これまでとは違う価値を付与して新しいニーズを開拓することが求められます。新規事業部として会社の新たな収益柱を作りたいのであれば、必要なのは御社ならではのアイデアなのかも知れません。

新規事業開発は、もともとリスクのあるもの。そこで重要なのは、いかにリスクを抑えて事業成長できるかという点。ニーズがあると分かりきっている市場に参入して突き抜けることは非常に難しいですが、まだニーズが顕在化していない市場ではチャンスがあります。
分からない道をできるだけ安全に進むためにアイデアの検証にコストをかける、ということを理解してもらいましょう。

まとめ

経営陣は、誰よりも会社のことを考えている方々です。そこで、新規事業のご担当者様が見せるべきなのは事業の計画性や成長のビジョンではないかと考えています。新規事業を成功させたいという気持ちは経営陣も同じはず。大きく成長させるため、そして失敗しないために、会社の予算を使って可能性を検証することを理解してもらうことが必要です。

新規事業開発への理解を得るためには、専門知識が必要であり、限られた時間と人材でこれらを伝える資料を作成することも容易ではありません。また、事業立ち上げ後も、経営陣との折衝はことあるごとに発生します。お悩みをお持ちの方は下記からお問い合わせをいただければ、わたくし田中がご対応させていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。